りブロ

-りずのブログ、略してりブロ。-
旧記事:薔薇王の葬列・エドワード王太子語り

突然ですが久々の萌え語りをします。
そのうち萌え語り記事を書こう書こうとか言っておきながらこの様とは…ハマったのはもう半年ほど前ですね。「薔薇王の葬列」!
の!
エドワード王太子!
作中に数人「エドワード」さんがいらっしゃるので、わかりやすくするために私の推しのことは「王太子」と呼びますね。
この彼がね、ほんといい男でした!
原作とあまり似てないけど画像は↑の感じです。金髪に赤系の服って感じ。
やっぱり萌えたら早めに語らないとなあなあで書き忘れますよね。ちなみに少し前に人生初のイメージフレグランスの話をこのブログでしてまして、その元ネタ(ネタ?)がこのエドワード王太子なんですよ。
既にpixivの方に数作小説書いて上げてます。そんくらいハマりました。
まずはこの作品「薔薇王の葬列」についてある程度情報がないと魅力について早口で語ってもわけわからんなので軽く説明しますと、

「英国の薔薇戦争とシェイクスピアの「ヘンリー四世」と「リチャード三世」をミックスしたうえでジェンダーの要素をトッピングして、少女漫画的要素で仕上げた作品」

だと、私は思っています。
薔薇戦争とシェイクスピアの戯曲に関しては間違いなく公式解釈だと思いますが、後半は私の思い込みも混ざっていそうなのでそういう前提での話となります。
この作品はわかりやすく例えるとベルばら的な大河浪漫な雰囲気となっています。薔薇戦争って実際の出来事ですしね。そこにシェイクスピアの話を入れて(とか言いつつ、この二作は未読なんです。じゃあなんで知ったかした?)、少女漫画的な雰囲気を入れ、と言った感じ。
ただしこの作品がただの大河浪漫作品で終わらないポイントがジェンダーの要素。
主人公がリチャード三世なのですが、名前からわかる通り男性なんですね、モデルの人物。
しかしこの作品では両性具有となっております。りょうせいぐゆう、端的に言うとふたなりです。どっちもついてると言った方がわかりやすいでしょうか。胸はあるもののあまりサイズが豊かではないので触られない限り気づかれません。ええ、触られない限り。
本人もミソジニー入ってるので男性として生きています。女は着飾って待っていることしかできないから嫌だそうです。うん…それ言われちゃうと、ね。作中の時代設定が中世なのでそのあたりは今時の感覚を持ち込むのはナンセンスですよね。時代劇に男尊女卑的だとか言いだすようなもんです。
リチャードの性別のことは数多く登場人物はいますが、ほんの数人しか知りません。パッと出てくる範囲だと、母と従者と共犯者くらいしか出てきません。そのくらいのトップシークレットなのです。
この性別の要素だけでもかなりややこしいですが、両性具有であることを知っている母との確執まであってかなり重いです。現代の感覚だと十分毒親。なんといってもリチャードを悪魔の子とこっそり呼び、徹底的に憎みつくしてます。夫と他の子供の前ではリチャードを心配してるだけの母親っていう態度でいるんですよ。実際親の仇って程に組んでるのに。他の人の前では純粋に子供を心配しているふりをするのがまたたちが悪い。リチャードからすれば親が仇と言ってもあながち間違いじゃない。
実際終盤にはリチャードを陥れようと敵とも手を組むという…あんたそこまで実の子が憎いんですか?と悲しくなりますね。時代的にジャンヌダルクとも年代が重なり、やはり登場もしています。ラストまで読み終えて序盤を読み返すとリチャードを惑わすようなことを言いつつ、根っこは味方寄りなんじゃないかって思いますね。リチャードの立場も気持ちもわかるからこそ意地悪な態度でも言っている内容自体は寄り添っている感じ。
リチャードは表向きには男性ですが間違いなく女性でもあるので途中で妊娠して困り果てたり、結局堕胎したり、周囲の人物は基本終盤には全滅していたり、という徹底した波乱万丈の人生を送ることとなります。リチャードが何をしたんですか?と言いたくなるほど過酷な道を歩みます。

そんな全編通してダークでシリアスな展開が続く中、私にとって癒しになったのがエドワード王太子でした。
本当に癒されるんですよ。すごく可愛いとしかいえませんね!あと、据え膳は遠慮なく食う人が多い中、ちゃんと待てができる紳士的なところも地味に好感度が大変高い。据え膳喰わぬ派はエドワード王太子と鋼の自制心を持つケイツビーくらいしかいない気がします。
単行本の人物紹介では、他の男キャラは「女好き」だの「単細胞」だの言われているのに王太子だけ「気が強い」なんですよ。気が強い。いや、このワードだけなんかパンチ弱くないですかね?気が強いって作中人物ほとんど気が強いですよ。
初登場時はたしかにドSっぽい雰囲気でしたが、すぐにそんなことなくなってましたしね。スポットが当たるのもリチャードと絡むときが多かったし、そのたびに恋する少年のテレ顔とかドキドキ顔とかでひたすらかわいいんですよ。「かわいくなってる」などとリチャードに対して思ってるんですが、読者(=私)としては「いや、かわいいのは貴方ですよ!」と言いたくなります。恋する少年なんとかわいいことか!
しかも気になりだしたきっかけが、事故でリチャードの胸を触ったせいで女だと思ってるって理由なんです。ついてるのはそうだし、どっちもだからあながち間違ってもないけども…胸がきっかけっていうのはなかなかない。
この手のキャラって少女漫画だとメインヒーローとして大々的に活躍しそうなのに、この作品ではひたすら不遇なのもなんだか同情してしまった感もあります。王太子という超高貴な身分なのにリチャードには毎回塩対応されるわ、父にあっさり廃嫡されるわ、そのくせ政略結婚はバッチリする羽目になるわ、想い人が自分より父の方に好感抱いているわ、ほんと大変ですね…とつい呟いてしまいます。エドワード王太子が何したんですか?たしかに父を売ろうとはしましたが。
他のキャラは好きな人といい雰囲気になることが多い中、恋愛関連ではひたすら不遇としか言いようがない。だがそこがいい。
幸い、最初こそ全く乗り気ではなかった政略結婚ではあったものの、お互い同じ人(リチャード)が好きということでリチャードに関するのろけ合戦して盛り上がっていたのは予想外に楽しそうでちょっと安心しました。夫婦なのにお互い別の人が好きって相当特殊例ですよね…でもエドワード王太子が楽しいならそれでいいや。
原作は全17巻ですが、主要人物の中ではかなり早々と退場してしまって「嘘だろ…」となったのもいい思い出。先にアニメで見てたんですがまさか本当にこうなるとは思わなかった。おお…なんてこった。
それでも登場した時点で死亡フラグが立つような作風のこの作品、辛い最期が多い中エドワード王太子はかなり幸せな終わりになっていて見ているこっちも救われました。あの状況あの立場ならあれが最善と言っても過言じゃないと思います。
いちいち「男として」と言っていて、現在のジェンダー的に見ると差別的に見えそうではあるものの、エドワード王太子の場合は「男として果たすべき責任」みたいなニュアンスで話しているので嫌悪感は特になかったですね。「壮絶な死にざまは男にこそふさわしい」と言って身代わりになってでも自分を逃がそうとした母と妻の気持ちを裏切ってまで死にに戻るところなんか特によかったです。男として親しい女を犠牲にしてまで生き延びたくない、的な意地を感じて大変熱かったです。そこがカッコいいんや。
作中での扱いは冷遇に見えたものの、番外編やおまけ的なもので十分描かれていたりして私は嬉しかったですね。ガイドブック購入してよかったです。作者の菅野先生のコメントでも「可愛くなってきました」と書かれていて、先生ご本人も思われてたんですね。すごくいいと思います!
最推しはエドワード王太子ですが、女性だとその母君のマーガレット様推しているんですよ。母子セットで萌えたのは初めてかもしれません。そのマーガレット様は外伝でまさかの主役!購入したら感想書きたいと思います。凛々しい王妃様も大変眼福でございます。

#お引っ越し記事 #薔薇王の葬列 #エドワード王太子