探偵は教会に棲む

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Case1:ホームレス殺人事件


 満十八歳にはなったものの、未だに少年の面影をその端正な、というか整った顔に受かべながら、『彼』は恥ずかしいと思いながらも『生まれて初めて』この『村』を出ることになったことを喜ぶ。この『村』は、いかにもな典型的な田舎であり、その証拠に『彼』にとっては理解不能の『神落とし』なんていうオカルトそのものの習慣が残っている。具体的な事は……あまり話したくない。村の者はみんなその『オカルトじみた習慣』に固執している、という点でも、『彼』には全く理解不能。
 そんな田舎の『村』、故郷が大嫌いでたまらなかった。昔から、幼い頃から。「こんなに素晴らしい場所を、よくそのような言い方が出来るな!」と父親にはよく嘆かれ、母親には「あんたの取柄は見た目と頭だけね!」と、どう捉えても褒め言葉にしか聞こえない文句を言われた。……それほどまでに『日本という国の常識からずれた村』が、『彼』の出身地だった。
 ただ一つ幸いな事に、『村』で浮いて当たり前なその『彼』にも、ただ一人だけ「気持ちは解る」と堂々と同調してくれる幼馴染がいた事だけは感謝している。その幼馴染は『彼』と似たような事を考える、同じく浮きがちな妹がいたので、それも当然だったのかもしれない。その妹に「お前は偉い!」と上から目線で褒め称えると、彼女は素直に「あたしも同じ気持ちだし、兄貴みたいに気弱な男より、貴方みたいなイケメンの兄貴が欲しかったし!」と『彼』の自尊心を満たすようなコメントを述べた。賢いながらも単純な面もある『彼』は、そんな彼女が気に入っていたため、今でもその兄に当たる幼馴染も割と気に入っている。
 その幼馴染の名は『山瀬明』といい、その妹の名は『山瀬まみ』といった。……そして当人である『彼』の名は……これまでの流れから察せると思うし、タイトルにも名前がある通り、『安藤智也』といった。


「……本当に行くつもり?」
 田舎独特の、古いドラマのセットのようなこじんまりとした木造の駅で、明はそう智也に問うた。内心では何を今更そんな事を言うのかと疑問に思ったものだが、長い付き合いの幼馴染なだけあって、何が言いたいかくらいの事は容易に察せる。彼が言いたいのは「本当にこの村を捨ててしまうのか?」という意味ではない。「本当に大学生をしつつ、一人暮らしなんて芸当が可能なのか?」と訊いているのだ。
「お前なぁ、どこまでバカなんだよ? 俺はあの桜桃に現役で合格したし、部屋も準備済みだ。内装も、特にキッチンはお前にも見せてやりたいレベルの良い物件……」
 明は内心で深くため息をつく。……この幼馴染は昔からこうだ。首尾一貫していて、有言実行なところは、同じ男として素直に格好良い所は認めるし、本音では憧れる。しかし彼は自己中心的な言動が多いし、常に上から目線は当たり前、ナルシスト、その他にも欠点を上げればキリがないくらい。その上、上京する者にとっては必須である家事スキルがまるでないのだ。同じ高校出身者である明も、彼の成績表を見て大変驚いたものだ。良い意味でも、悪い意味でも。
 彼の成績は、まさしく『優秀』の一言だった。ある教科以外の全ての評価が、五段階でオール『5』。担任教師が「安藤のような生徒を、まさしく天才と呼ぶのでしょうね」と、職員室で興奮気味に同僚に語り掛けている現場を偶然目撃したのは、一度や二度ではない。実はそれは彼が隠れて努力した結果なのだが、当然教師はそんな事など知らない。
 そしてそんな彼の唯一の『苦手教科』。それはある意味で生きていくために必要な学問である、『家庭科』だった。智也は大の家庭科嫌い。生物の実験や、化学の薬品調合は進んでやるくせに、調理実習の時だけは女子に丸投げしていた。クラスメイトの女子は、そんな智也を見て、むしろ喜んで「料理は出来なくても、安藤君くらいのイケメンなら、誰でも好きよね!」と、彼のプライドをくすぐる言葉を発するばかりで、結果的に智也の料理スキルを磨く機会を奪った。
 そのようないきさつも全て知っている明からしてみれば、料理もろくにできない、であろう智也の状況が幼馴染として心配でならない。山瀬明という、安藤智也にとっては年下の幼馴染は、その『生活できるか』というよりも『生き残れるか』レベルに彼を心配していた。……しかし、天上天下唯我独尊な彼には、当然そんな心配など届かない。
「……毎日三食カップラーメンとかも作れるか怪しいのに。……あぁ、先のことを考えたら心配でならないよ!」
「だから、なんでお前がそこまで必死なんだよ? 俺が『大丈夫』だっつってんだし、『大丈夫』に決まってんだろ?」
 智也には、なぜただの幼馴染がここまで心配するのかが理解できない。
「それともなんだ? ……お前って、もしかしてアレか? ホモか? だったらもう二度と話しかけんなよ、キモイから!」
 この返事には、長い付き合いとはいえ脱力するしかなかった。智也の表情は真面目そのもので、もうツッコミを入れる気さえ失せる。
「……ホモじゃないから。とりあえず、元気でね。僕も大学に進学できたら、多分東京で再会できると思うけど……」
 コイツはこれ以上心配するだけ無駄だと悟った明は、最後に彼なりの軽口を叩く。
「都会にはいるといいね、『赤が似合う大人の女』」
「会えるはずだ。俺は日頃の行いがいいからな! じゃあな! まみにもよろしく言っとけよ!」
 そうあくまでも前向きに言って、智也は生まれて初めての長時間の電車の旅を楽しみに、夜行列車のステップに躊躇いなく飛び乗った。すぐにホイッスルが鳴り響き、発射する電車。それを見つめる明は複雑な気持ちで独り言を漏らす。
「……本当に、大丈夫なのかな?」


 電車というものにも初めて乗ったのだが、感想は『まぁ、こんなもんだよな』程度だった。あの『村』を出れば、それなりに何とかなると思っていた。部屋も借りてあるし、当面の生活費も十分だ。不安要素など何一つない。……そのはずだった。
「……嘘だろ?」
 普段から日ごろの行いがいいと思っている彼的には大変不本意な事に、よりにもよって財布をスられた、らしい。あくまでも『らしい』というのは彼自身も信じたくない証拠だ。財布はウォレットチェーンでジーンズに固定してあったし、ただ落とすわけがない。そもそもそんな凡ミスなど、幼馴染の明がするものであり、彼とは無縁のものだ。
「……」
 東京といえども、寒い地域はあくまでも寒い。こんなことならば無理して流行の薄手のジャケットよりも厚手のモノを選んでおくべきだった。珍しいことに彼が後悔などするのは人生で何度目だろうか? 
「……兄ちゃん、『お仲間』かい?」
「あん? 俺は今腹が……」
 振り返った場所にいたのは、人が良さそうな往年の男性だった。彼は両手にコンビニのおにぎりを持っていた。右にはツナマヨ、左には梅だ。智也の喉がごくりと鳴った。
「見たところ、この辺の住人じゃないね。となると……上京でもしてきたってところかい?」
 ――このジジイ、何者だ?
 智也がおにぎりに釣られそうになる腹を押さえながら、そう考える。自分の見た目は若者の流行最先端をゆく、正直痛い買い物だった全身名のあるブランドもの、プラスアクセサリー各種。そして極めつけは学生や貧乏な社会人には到底手の届かないであろう、腕時計。……これらの要素から判断できるのは、『根っからの都会者』しかないだろう。なのに目の前の老人はあっさりそれを看破した。
「ほら、腹が減っては戦は出来んぞ? 遠慮するな!」
 そう言って、無理やりツナマヨを勧めてくる老人。どう見ても土地の管理者に許可を取っているようには見えない。なのに彼は、ブルーシートで立派な小屋を建てていた。もちろん素材は段ボールも多数使われているのだが。
「……」
 『腹は減っては戦は出来ぬ』、確かに正論だ。しかし、智也にはどうしても譲れないものがある。『プライド』だ。情けなんぞかけられるくらいなら、いっそ殺してくれればいいのに。なんて事を見知らぬ若者が考えているなど、もちろん老人には解らない。
「……やれやれ。都会は確かに棲みづらいが、いいところもたくさんあるぞ?」
 ほれ、と彼が手持ちの、どこから出したのかは一切不明のパンくずを放り投げると、鳥の群れがやってきた。白い鳥だが、智也は鳥の名前になど興味はなかった。それよりも、目の前のこの男が気になり始めていた。彼が一体どこの誰で、何のためにこんな暮らしを続けているというのか。純粋に疑問だった。
「いただきます」
 彼から話を聴く前に、用意されたものを頂くのが礼儀だ。そう考えた智也は、彼の差し出すツナマヨを完食した。あっという間に。品よく口元を拭いながら、改めて問いかける。
「で、アンタは何者だ?」
 恩ある相手にもこの口調である。なんという無礼者。それが安藤智也なのだが。
「あぁ、今はホームレスと趣味で探偵の真似事をやってるよ」
 ホームレスという特徴には、目の前の相手は見事に当てはまった。ボロボロの服に無精ひげがぼうぼう。ろくに洗っていないとしか見えないベタベタの髪。どれもホームレスの証拠だ。
「……探偵の真似事?」
 智也が反応したのはその一言。『村』には農民は大勢いたが、『探偵』なんて。てっきりフィクションの世界にしか存在しないと思っていた。どうやら、自分もまだまだ井の中の蛙という奴だったらしい。
「趣味でだがね。……君は東北の方の出身ではないかい?」
「だから、何で解るんだよ!」
「北の方の訛があるからね。でも北海道じゃない。東北あたりかな?」
 そこまで的確に当てるこの老人に興味がわいてきた。元々楽しそうな事には弱い性分なのだ。「もっと探偵の真似事」とやらが知りたい。
「……決めたぜ。俺、オッサンに弟子入りするわ!」
「え?」
 それまで人の良い笑みを浮かべていた男性は焦りを見せた。……何か不都合でもあるのだろうか? だが、こうと決めたら突っ走るのも智也の性分なので、曲げる気はない。その表情を見て諦めたのか、彼は自分たちの集まる『シマ』に案内してくれた。


 そこはどう見ても、よく出来た段ボールとブルーシート、ロープをメインに使って組み立てた一種の『要塞』だった。とてもではないが、素人が適当に作れるわけがない。智也がきょろきょろと周りを見返していると、住民の一人らしい男性が顔を出した。手には日本酒のカップ酒がある。
「よう、ゲンさん! お? そっちは新入りか? 酒持ってねぇか?」
「あ、いや、俺は……」
 智也が困っていると、ゲンと呼ばれた案内してくれた老人が取り成してくれた。どうやら彼の方がホームレスの中でも格上らしい。
「よしなって、サトさん。この子はワシが……拾った、っていうのか? まぁそんな訳だから、手は出さないでやってくれんか?」
 『この子』呼ばわりには腹が立ったが、それはあの『村』でも似たようなモノだった。サトさんと呼ばれた、多分酒飲みであろう男性は、所謂赤ら顔で、酒飲みの見本というか末路を見ているようだった。
「とんだ邪魔が入ったね。じゃあ、次はコマさんでも紹介しようか」
 そう言いつつも、何気に彼の歩む速度は速い。この老人は一体何者だったのだろうか? 気になって仕方がない。しばらく歩くと、神経質なくらいにブルーシートを重ねて張った場所が目についた。
「あぁ、やっぱりいたか。ミトさん!」
「あ、ゲンさんじゃないですか?」
 ジジイの昔話は長い、そう智也は決めつけていたが、案外この二人の会話は早々に打ち切られた、そしてサトさんと呼ばれていた老人の時と同じように智也を紹介した。相手はいかにもフレンドリーで、多分この辺一帯のムードメイカー的な役割をしているとしか思えないが、いかんせん煙草くさい。顔をしかめると、その点に気づいたのか、どこか申し訳なさそうな顔になる。
「いやー、ご免ね? いくら煙草だって税金でも、流石に人前では吸わないようにしてるんだけど、根っからのヘビースモーカーでね。このブルーシートの下には増税前に買い溜めした、愛しのハワイアンブルーがたっぷりってわけだよ!」
 三メートルほど離れた場所からも煙草の匂いがする。何日も入浴できないホームレス、しかも愛煙家ならば仕方がないが、その一言では納得できない。ちなみにハワイアンブルーというのは、マイナーな煙草の銘柄だ。智也は吸わないから詳しくは知らないし、そもそも未成年だ。
「美味しい廃棄弁当を出すコンビニを見つけたんですよ! どうです、今夜あたり……」
「いいねぇ。……ミトさんも悪ですなぁ」
 どこかの悪代官のような会話だ。しかし、このノリは決して嫌いではない。むしろ好きだ。
「俺も混ぜてくれよ」
 するとこの目の前の悪代官二人――ゲンさんとミトさんは顔を見合わせた。まさかこんな若者が進んでホームレスになろうなど、なんて彼らは考えていたのだが、智也は単に「これも貴重な経験だし」と前向きに据えていた。
「おいおい、何の騒ぎだよ?」
 その話声を聞きつけたのか、近くの段ボールの山から大男がひょっこり顔を出した。珍しいことにブルーシートは一切使わず、段ボールだけの『まさにホームレス』像そのものだった。
「おぉ、ハラダさん! この若者が我々の仲間になろうと……」
 ゲンさんは嬉しそうにしたが、目の前のハラダという男には智也はアウトオブ眼中らしい。「ふぅん」とつまらなそうに返事をして、段ボールハウスから入浴セットを抱えて出てきた。
「おや、今日も銭湯かい? おっそわけはいるかい?」
 そう優しく訊くゲンさんにも「いらない」と短く答えて、彼は近場の銭湯があるらしい方向へ去っていく。思い出したかのように、ミトさんが大声を上げる。
「しまった! もう十分しかない!」
 例の廃棄弁当の事だろう。智也も都会ならではの闇のようなモノに憧れていたのかもしれない。……だから、多分これが、安藤智也の初めての事件になるのだった。


 東京の空というのは、思ったより綺麗ではないらしい。いつもは食欲があり過ぎて困るくらいなのに、今日は昨日の戦利品であるコンビニの廃棄弁当だけで満腹。もうこれ以上は食べられない。
 昨日は結局、予め借りてあるマンションに行ってはみたのだが、田舎の密接な付き合いに慣れきっていた智也もそこまでシビアにはなりきれなかった。そのため、ゲンさんのブルーシートと段ボールの複合ハウスに世話になったのだった。
「……はよ。ゲンさん、そろそろメシ……」
 智也は自身の隣で眠っている彼の変わり果てた姿を見て、吐き気を催した。元々ろくに入浴すらしていないその身体の臭いは耐えがたい。慌ててそこから出ると、近場のゴミ箱に昨日食べたものを全て戻した。
 ――なんで、死? んでる?
 智也自身も信じたくない事実だった。だが、事実は事実だ。その時は判断がつかず、一番親しそうな三人の元を訪れて、どうするべきかという判断を仰ぐ。
「そりゃあ、119番と110番」
 と、三人がそろって言うので、その通りにした。ホームレスなど何人死のうがなんて事もない、とでも言いたげないい加減な捜査に、警官に怒りが込み上げてきた。
 ――なんだよ。人が一人死んでんだぞ? なのに、なのに、なんだよそれは!
 そんな彼を慰めようと、煙草を吸いながらサトさんが肩に手を置いた。
「……ゲンさんの正体は、我々も知らないんだ。ただ、愛する娘が二人いるという事はしょっちゅう言ってたっけな……」
「娘が二人……」
 あの年でも二人も娘がいるのか、何て頓珍漢な事を想いつつ、智也は運ばれていくゲンさんの遺体に手を合わせる。
 ――アンタの仇は、俺が取ってやるよ!
 そう心に誓って。


 探偵の真似事が好きだと故人は言っていた。ということは、ある程度は周りの人物について知っていたということにならないだろうか? 智也はまずはそれを前提に考え始めた。
 ――あのホームレスの集落の中で、親しそうだったのは、サトさん、ミトさん、ハラダさんだ。
 共通点はもちろん『ホームレスである事』だ。……ダメだ、これではどうしても推理が行き詰ってしまう。どうしたものかと頭を抱えている時に、アルコールの匂いが鼻を突いた。顔を上げると、そこには未成年に焼酎を勧めるダメな大人の図があった。
「……サトさん」
「迷った時には、ゲンさんもコイツを飲みならが考え事をしてたもんだ。……今となっては懐かしいがな」
 そう呟いて目を伏せる彼は、きっと犯人ではないのだろう。犯人がこんな表情などするはずがない。そして、彼のおかげで『ある事』に気づくことが出来た。『ゲンさんを殺した犯人は誰か?』を。
「サンキュ!」
 智也はそう言い残し、座っていた公園のベンチから立ち上がる。そして、まだ残っていた刑事の一人を捕まえて、何やら話し始めた。


 ――消臭だ、臭くて臭くて、耐えられない!
 その人物は、ミトと呼ばれているホームレスが棲む、ブルーシートだらけの小屋の中をゆっくりと進む。
 ――見つけた!
 そう思ったと同時に、まばゆい光が彼を照らす。その光源のすぐ傍にいたのは、確かゲンが紹介した新しいホームレスの小僧だった。
「……やっぱりな。アンタだと思ったぜ、ハラダ!」
 少しはらしくなるかな、なんて思いながら指をつきつけてみるが、これはこれで悪くはない。当のミトさんはおっかなびっくりといった様子で智也の影から姿を現した。
「……なぜ? 俺はただ、煙草のおっそわけでも貰おうかと……」
「それはないな」
 智也はきっぱりと否定する。その証拠とばかりに、紙を見せつける。書かれているのは『診断書』という文字。
「アンタはここに書かれている通り、肺炎の初期段階だ。これ以上煙草を吸ったら、命に関わる。なのに、今日に限って吸いたくなるなんておかしいだろ?」
 智也の付け焼き刃の推理に、ハラダは自分が殺した、今は亡きゲンの姿が重なって見えるようだった。
「……最初から気に食わなかった。あいつはなぜか人を寄せ付ける何かを持っていて、いつも話の中心だった。俺の後から来たくせに。それが気に入らなかったんだよ! 殺して何が悪い!」
「……それは違う」
 口を挟んだのは、同時にサトさんとミトさんだった。先にサトさんが口を開く。
「彼は訳があって会社を辞めたらしい。どこかの会社の……そんな事はどうでもいい。とにかく俺は、ゲンさんの人柄に惹かれたんだ。誰もバカにせず、笑って受け入れてくれる、そんな器の大きさに」
「俺もだよ。あんないい人は初めて見た。愛煙家は嫌われるのに、彼は『税金払ってるんだし堂々としろ』って言ってくれて。その一言だけで、彼がどんな人か解った」
 二人の証言に崩れ落ちるハラダ。それを感慨深く見守る智也。
 かくして、安藤智也最初の事件は終わりを告げたのだった。

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2015年 4月24日 莊野りず


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