666文字百物語

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  42、ショタコンの本懐   

 人はみんな、秘密を持っている。かくいう僕もそうだ。そしてその秘密とは、大概の場合、大なり小なり、他人には言えないものであることが多い。
 僕は小さな男の子が好きだ。それも、小学生なら最も素晴らしいと思う。いわゆる『ショタコン』というやつだ。……え? 知らない? じゃあ知らないままの貴方でいてください。
 なぜなら、小さい男の子は素直だ。それでいて、ちゃんと根っこは男らしい。だって、女子が人形やぬいぐるみを好むように、男子は乗り物や変身ヒーローを好む。そんな年齢に対する未熟な男らしさがいいんだよ。
 でも僕は安全な小さな男の子好き、健全なショタコンだから、犯罪行為はしない。ただひたすら気に入った子の登下校を見守るだけだ。ほら、全然犯罪じゃない。むしろ僕は少年たちの健全な発育を推進している。表彰ものだと思わないか?
 
 
 そして今日も僕は、お気に入りのあの子の下校を見守る。うん、今日も半ズボンがよく似合う。……やばい、あの表情、かわいすぎる。
「やぁ! 君のお母さんから頼まれてね。お家に送って行ってあげるよ」
「うん」
 ほら、子供は素直でいい。僕はその子の手を引いて、恋人繋ぎをする。至福の時間だ。しかし、いきなり僕は腹の辺りに痛みを感じた。これは……カッター?
「……お姉ちゃん、さっきからはぁはぁ言ってて気持ち悪い」
 僕は最愛のショタに罵られ、快感を覚えればいいのか、絶望すればいいのか、薄れゆく意識の中思った。
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