666文字百物語
150、百五十話目だよ! …で? Pixivでは「492」
夏ですね、もう真夏ですね。百物語の季節ですね。
……え? これ百五十話目だって? なにそれ? せっかくとびきりの怖い話を準備してたってのに! 俺の苦労は台無しかよ? ……っつったく、やってらんねえ! 百話話し終えた時には、なんかとびきり怖いことが起こるって聞いてたからさ、超期待してたのにさ。なんだよ、誰だよ? 百話目の奴!
なんて愚痴ってもしょうがない。もしかしたらより怖い話を集めたってことで、より怖いことが起こるかもしれないしな。俺さ、怖いものとか解明されたない怪奇現象とか、そういうの大好きなわけ。だから部活の連中にも声をかけておいたってわけ。準備は万端だったわけ。
どうせベタな話とか、ホラーとは呼べない話ばっかりだったんだろ? 用意してたとっておきの怖い話を披露できないのは残念至極だよ、ホントに。
いや、マジで怖いんだって! 背筋も凍るってことを実感すると思うね。だって俺、ホラーマニアだしさ。
マジでいろんな話を知ってるぜ。実際に見てきたからな。一家心中とか、痴情のもつれとか、人買いとか。グロいのも各種取り揃えてるしさ。最近だとイジメネタが鉄板になりつつあるけどさ、基本的に化けて出る人間の霊って情が絡んでるんだよな。これは昔から変わってない。
……え? それで肝心の話はって? ……うーん、オチをどうつけたものかな。実は俺さ、こんな男子高校生の見た目だけどさ、日本って国を作った伊邪那岐神なんだわ。いや、マジで。
いやー人間の営みって興味深くて、恐ろしいよな。俺のような神様じゃこうはいかないや。
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