666文字百物語

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  107、幸せのカタチ Pixivでは「406」  

 ずっと、ずっとね、小さいときから。あなたのことを見守ってきたの。それはもう、おはようからおやすみまではもちろんのこと。ベビーベッドでぐっすり眠る貴方を見ているとね、不思議と落ち着くの。貴方の寝顔がとてもかわいいって思ってたし、守ってあげなきゃって思ってたの。だって、わたしはお姉ちゃんだもの。弟の面倒を見るのは当たり前でしょ? 幼稚園の頃にはわたしが作ったおやつをとっても美味しそうに食べてくれたよね! あの時は本当に嬉しかったし、かわいかったな。そんな時こそ、貴方の姉でよかったって思うのよ。反抗期になっても、眼はちゃんと合わせてくれたし、お母さんの言うことをきかなくてもわたしの言うことは聞いてくれたよね? ちょっとはうぬぼれてもいいのかな? わたしは貴方にとって特別だって。うふふ……幸せだなぁ。本当はわたしね、こうなることを望んでたのかもしれないね。最愛の人に殺されるって幸せだわ。そうは思わない? 貴方もわたしのこと、好きでしょ? だから今度はわたしが貴方を殺してあげる。他の女なんか目に入らないように、ね?
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