モノクロガールズカレイドスコープ ⚙ サイドストーリー
エピソード:78
「ざまぁ」
鎖だらけの空間で、あたしは笑っている。
あいつが泣いてる。
ざまぁみろ。いい気味だ。当然の報いだ。
「ああほんと! 愉快痛快! ざまぁみろ!」
あたしは笑っている。
「ずっとずーっと、ずっとずっとずーーっと」
あいつはあたしで。あたしはあいつ。
あのチョコばかり食べてる女が言った通り、あたしは今のあいつであり、あいつはあたしから見て未来のあたし。
つまり、今のあいつがあるのは過去にあたしが頑張ったから。小さい頃あたしがずっと耐えて我慢して来て努力してきたからだ。そうして必死に頑張った結果だ。
そんなあたしの血と汗と涙と忍耐と努力の成果物をぽっと出のもうひとりの自分に丸ごと取られたら。
誰だって死ぬほどムカつく。
「あたしはあんたの不幸せを願ってたんだよ!」
自分の得られるはずだったものを奪った存在を許せる奴なんかいない。いるとしたら、そいつは桁外れのお人好しか偽善者だ。
永遠に許せないあたしは普通だ。みんなあたしの気持ち、わかるでしょ。
こんな不公平なこと許されるはずがないし、許していいはずがないって。
「あたしはあんたのことが誰より許せないんだ!」
いい気味だ。ざまぁみろ。
「はははははは……!」
安全で、周囲に優しくしてもらえて、人並みの生活ができて、真っ当に学校生活を送れてる。生活費の心配なんかしなくてもいい。
そんな「まとも」な生活はあたしがずっと憧れていたもの。
「ざっまぁあ!」
もう1度、あたしは笑った。
「……」
でもこれは、いったい何の笑いなんだろうか。
自分でもよくわからない。目元が熱い気がする理由も、あたしにはわからない。
「……はは」
それでも、あたしは笑っている。
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